【本当はどうなの歯の話 vol.15】「よく噛んでご飯を食べなさい」
2025年1月20日
今回は物を食べるというお話です
“物を食べる” 何でしょうか あまりにも当たり前の事で誰も特別な意識などしていなくて でも みんなが毎日必ずやっている 物を食べるという行為
それに関する話となると 当たり前すぎて聞く気にならないかもしれませんがその話をしていってみたいと思います
脳からは神経が12本伸びていて その12本の神経が体の動きや感覚的なものを支配していて 人間の体は動いたり物が見れたりするんです そこで物を食べるという行為が 結構凄いんです
それはどういうことかというと 人間が走るという行為を行う時に使われる脳神経の本数は5・6本だと言われていますが ものを食べることに関わる脳神経は11本だというのです これはちょっと凄くないですか 走ることの方がものを食べるよりも難しそうなのに 脳に関わる刺激は断然食べることの方が多いのです
ということは 「昔からよく噛んでご飯を食べなさい」と言われて育ってきた人がほとんどですが 本当によく噛んでご飯を食べて欲しいと思います 健康のためにも脳のためにも
【本当はどうなの歯の話 vol.14】「インプラントって一生もつんでしょ」たまにそう聞かれることがあります
2024年11月19日
以前の“どうなの”でインプラントを擁護したようなお話を書きました
今回はインプラントの悪口を少し話してみましょう
インプラントは人工の歯根を骨の中に埋め込み、そこに義歯を取り付けることであたかもそこに歯が生えてきているかのようにする治療のことで所詮代替えの治療であることは他の治療である入れ歯やブリッジと変わりありません
決して悪い物という話をしようとしているのではありません 何をおいても天然の歯に敵うものは無いんだという事を理解して欲しいので 今回の話を書いてます
インプラントが良くて 一生もつのなら生えてる歯を全部抜いて さっさとインプラントに変えてしまえば その人は幸せで何の問題も無いのでしょうか
ダメになってしまった歯ばっかりで苦しんでいる人には そういう手段もあると思いますが そんな事を望む人もいないでしょうし それを勧める歯医者は少し疑問に思います
「インプラントが一生もつか?」という話でした 少し話が逸れてしまったのでその話に戻しますが インプラントにはインプラントの持っている問題があります それはインプラント周囲炎という病気で それはほぼ歯周病と同じ病気です その状態になると最悪の場合インプラントを抜かなきゃいけなくなります またインプラントには特有のネジが緩んだりなどの問題も抱えています
それと 患者さんが考える“一生もつ”というと 何事も起きずに死ぬまで使えるものをさしてますので それは天然の歯以外にはかなり難しい話です 天然の歯でも虫歯などで詰め物や被せ物をするわけですが それもセメント(歯用の接着剤)などの劣化や噛み合わせの力 詰めてある金属の劣化 支えている歯の新しい虫歯等々 それはそれはイロイロな要素で一生もつことは至難の技 というより不可能でしょう
天然の歯を利用した処置でさえ一生もつというのはまずあり得ないのに インプラントという異物を埋め込んだ治療なんですから一生もつというのはかなり難しいのです もちろんちゃんとしたメンテナンスを行えばそれも可能になってくるのですが…
さあ あなたもインプラントをしませんか?
【本当はどうなの歯の話 vol.13】「キシリトールはロッテ」っていうCM 見たことありますよね
2024年9月24日
今回はそのキシリトールじゃなくて そのCMでプロゴルファーの石川遼君が出ていた時のバージョンの話をしてみようかと思います
キシリトールじゃなくて何の話?って聞こえてきますが 石川遼君バージョンのCMは噛み合わせの力の話が出てきます 200kgという話なんです 要は石川遼君がドライバーでゴルフボールを引っ叩く瞬間に 200kgの力が歯にかかるというCMをロッテはしてたんです
https://youtu.be/Fr6o_kpetKM?si=BFP-jzNYm-cyIjNR
そうです また噛む話なんです 石川遼君と言えば超有名人で日本を代表するプロゴルファーなんだから力が強くて当たり前と思うかもしれませんが 確かにそういう部分があったとしても 同じ人間なんですからなんぼなんでも3倍も4倍も力があるはずがないでしょう じゃあ一般的な人なでも150kgぐらい出てもおかしくないと思いませんか? 逆に石川遼君の体格よりもよっぽど体格のいい人もいっぱいいるんじゃないでしょうか そうなると200kgよりも力のある人もいるでしょう
そんなに大きな力がかかって 頑張ってくれている歯に虫歯が出来たり 歯周病になって支えている骨が弱ってしまって その力に耐えられると思いますか?
虫歯がひどくなれば 歯が割れたり 骨が弱れば歯が抜けたり痛くて噛めなくなったりするようになります
そうなんです200kgもの力に太刀打ちするためには 健康的な口の中が必要なのです
あなたの口は虫歯を放置したり 歯周病のチェックをしたいなかったりしていませんか?
【本当はどうなの歯の話 vol.12】インプラントってダメなんでしょ?
2024年7月22日
最近患者さんからよく言われるコメントです 最近の新聞やテレビなど報道であれだけのバッシングとも言える報道を目にすると そういう意見になるのも仕方ないかなあ と思うところもあるんですが インプラントのいい話を少し書いてみようかと思います
インプラントは骨に穴を開けて チタン製の棒を入れておいたらそれが普通に考えるよりも遥かに強く骨とくっついてしまった ということをブローネマルクという教授の先生が見つけまして であるならば意図的に必要な場所にチタンの棒を入れておけば 歯がなくなったところに固定性の入れ歯を作れるじゃないか という発想で出来上がった物が歯科用インプラントというものです
ですので 基本的には体に害のないものです ただ身体からしてみれば異物であることに変わりないですから 何か問題を起こしてしまうと 自分の歯のようには身体も守ってくれません だから問題が起きないようにちゃんとしていれば 体に害もなくきっちり機能してくれます
インプラントをして利点はたくさんあります
違和感が少ない事
歯を削らずに治療できる事
力を入れて噛める事
無くなった歯の分の負担を補填する事で残っている歯を長持ちさせる事
顎の骨の減少を食い止める事 等々
沢山ありますが あんまり書くと逆に信憑性が落ちるのでこの辺にしておきますが 先ほどの前置き ちゃんと問題が起きないようにしていればかなり良い治療と呼べると思います
あなたはどんな治療を選びますか?
【本当はどうなの歯の話 vol.11】歯って“すごい”
2024年5月17日
さて前回に引き続き 歯の感覚が“すごい”話をさせてもらおうと思います
もともと歯にそんな感覚があるのにはもちろん訳があります
人間は物を食べなきゃ生きていけないけれども変なものを飲み込んだら危ないので まず口に中で変なものが無いのか確認してそれから飲み込むようにしています
そのセンサーが歯にも仕込まれているのです
魚を食べていて小骨がちゃんとわかってその小骨だけを口から出して身だけを食べます
それができるのもその精度の高い感覚が働いているからです
もし働かなければ喉に骨が刺さったり胃袋を傷つけたり大変なことになる可能性があります
そんな精度の高い感覚も 今はちゃんと調理して作られたものを食べていたなら働く必要がありません
しかしその感覚が他のことに働いてしまうことがあるのです
それは噛み合わせの異常に無意識のうちに気付いてしまいその異常を避けるために 顎がちょっと無理をしてしまいます
すると顎を動かす筋肉が疲れてしまったり 無理したことによって関節を痛めてしまったりすることがおきます
これが顎関節症です
現代人は危ないものを食べることはほとんどありません
でもその精度の高い感覚は食べ物を食べる際に その物の大きさや硬さを感じそれが味覚におおいに関わっているのです
“被せ物をしたら入れ歯を入れたら味がわからなくなった”なんて事を言われることがありますが その感覚に問題があるなら 味覚に異常が出てもおかしくないかもしれませんね
そんなすごい歯をみなさん大切に
【本当はどうなの歯の話 vol.10】歯って“すごい”
2024年3月19日
ちょっと趣を変えまして 歯って“すごい”んだよって話をさせてもらいたいと思います
何のこっちゃ???って感じでしょうか
歯にはVol.6~9までにお話をさせてもらった “しみる”という感覚が歯の中にある神経が感じている感覚で 虫歯や歯の破折・ヒビや食いしばりや知覚過敏によるもので感じる痛みの感覚です 歯に何か起こっていることを体に伝えてくれています 好きな人はいないでしょうが何か起きてますので 歯医者ヘ行って診てもらって下さい
今回お話ししたい“すごい”って話なんですが 歯にはもう一つ大きな感覚があるのです というお話です
歯は顎の骨に刺さっているような感じではえているんですが 直接骨にくっついているわけではありません 顎の骨と歯の間には歯根膜と呼ばれる繊維質の膜があり 歯は顎の骨の穴にハンモックのように吊られてつながっているのです
この歯根膜が“すごい”んです
ますます何のこっちゃ???かもしれませんね
歯ざわりとか歯ごたえという言葉があるとおり 歯はそのもの自体が硬いとか軟らかいとかを感じています 歯根膜知覚などと呼ばれるこの感覚はすばらしく精度の高い感覚です
どれくらい精度が高いかというと 上の前歯と下の前歯の間に髪の毛を挟むと一本か二本かわかるぐらいの精度です 髪の毛は平均して0.08mmぐらいなのでその精度の高さがわかるかと思います
この感覚は 食事の時に ただ舌で感じる味だけでなく歯ざわりとか歯ごたえといったものが加わり食事をよりいっそう美味しいものにしてくれます
たまに神経の無い歯が痛いということが起きるのはその部分が痛いからです
歯にはいろいろな感覚があります 詰め物がいつまでも合わないとか 何事も無いのに歯が痛いとか そんなのが続いているならその精度の高い感覚が働いている可能性があります もしそういう感じなら一度歯医者ヘ行って診てもらって下さい
あなたの歯 何もないのに痛みがあったりしませんか?
【本当はどうなの歯の話 vol.9】ポ◯グリップって使わなダメかね?
2023年6月12日
ちょくちょく聞かれることなんですが これ実は必要ないんです っていうと ポ◯グリップの会社から怒られてしまうかもしれないのですが
必ず必要というわけではありません
ポ◯グリップと商品名を出してしまいましたが グリップ剤に関しては いろいろな商品が売られているのが実情です
ポ◯グリップだけがグリップ剤というわけでなくイロイロありますので その商品一つづつの特徴を説明するのは難しいので割愛させていただきますが
とにかく一連の商品を使うかどうかということについてです
入れ歯は 歯が無くなってその歯の代わりをしてもらう人工臓器です 人工臓器というと難しく感じますが
メガネなどと同じと考えていただければわかりやすいでしょうか
メガネも着け始めは異常に違和感を感じますが 段々と違和感が無くなりそのうち着けてるのを忘れてしまうぐらいに馴染んできます
ただ誰でも最初はとても気持ち悪く早く外したい衝動と戦っている感じではないでしょうか
それと同じようなことは新しくおろした革靴にも似たような感覚があるのではないでしょうか
ただメガネは無くては物が見えないし 靴は靴自体が勝手に馴染んできてくれます 入れ歯はというと勝手に馴染んできてくれることはあり得ないので
歯医者で調整していくしか方法がありません メガネもメガネ屋さんで調整しながら合わせていくものですから
そうやって入れ歯を調整することによって 顎にピッタリに合わせていくのです そうなると入れ歯は顎にフィットして隙間もなくなり
特別にグリップ剤を使用しなくても入れ歯を口の中で安定させ 体の一部のように馴染んでいくのです
逆にグリップ剤を使いまくると 入れ歯自体が合わないことによって調子悪いのか グリップ剤の塗り具合が悪くて調子悪いのかわからなくなり
ますます入れ歯の調子が悪くなっていくことも考えられます もちろん唾液の出にくい病院など
どうしてもグリップ剤が無いとムリという方もいらっしゃるのですが
あなたの入れ歯 ちゃんと顎にあってますか?
次もまた他の話をしてみましょう
【本当はどうなの歯の話 vol.8】歯が“しみる”
2023年5月9日
また“しみる”
話の続きに話を戻して 知覚過敏なんですがこれがまた大変な問題の症状です
だいたいの場合知覚過敏といえば象牙質知覚過敏で 本来なら歯茎の肉に包まれている歯の根っこの部分が
歯茎が痩せてくることによって口の中に出てきてしまうことによって
冷たいとか熱いとか擦られるといった様々な刺激に対して反応してしまうようになるのが 象牙質知覚過敏です
象牙質知覚過敏では その口の中に出てしまったところを何かでカバーすれば“しみる”のを止めたり 軽減することが出来ます
じゃあ別に最初に書いた 大変な症状ってたいしたことないんじゃないかと思われた人もいたかと思いますが たしかにそれで治まってしまえばたいしたことは有りません
ただ 知覚過敏の原因は 象牙質知覚過敏だけではないのです 知覚過敏とは歯の感覚が敏感になる状態なので
ある意味で言えばVol.7で説明した破折も知覚過敏といえるかもしれません
そうなるとなかなか知覚過敏という処置はややこしいと思えてきたのではないでしょうか そうなんです なかなかややこしいんです
その上 知覚過敏の症状は今までの説明だけでは説明のつかない歯にもおきるのです なぜか急に歯が“しみる”んです
これが実は一番厄介な知覚過敏なのです この知覚過敏はVol.6でも書いた 食いしばり 歯ぎしり 異常な噛み合わせ
に起因することが多いのです
じゃあなぜ厄介な知覚過敏なのか 食いしばりや歯ぎしりは“癖” 異常な噛み合わせは“無自覚” だからです
癖はそう簡単にはやめられません 無自覚の状態に気がつく人はほとんど皆無です この二つの“癖”“無自覚”により
ある特定の歯に以上に力がかかった場合 歯を支えている場所に炎症が起きその結果としてその歯に知覚過敏が起こってしまうのです
ですからその歯は外見上は全く異常が無いのに“しみる”という厄介なことになります
改善策としては マウスピース 噛み合わせの調整などとなるでしょうか 疼痛緩和に効果のあるレーザーも一つの手段でしょう
あなたの歯“しみて”ませんか?
次からは また少し違う話題に移ろうかと思います お楽しみに
【本当はどうなの歯の話 vol.7】歯が“しみる”
2023年2月3日
そうそう“しみる”話なんですが
“しみる”度合いによって治療内容が変わってくるんですが
その度合いってどんなんって疑問があったりすると思うので、今回はその度合いの説明をしてみたいと思います
その度合いを挙げると
1.冷たいものが“しみて”すぐ収まる
2.冷たいものが“しみて”しばらく痛みが続く
3.暖かいものが“しみて”すぐ収まる
4.暖かいものが“しみて”しばらく痛みが続く
5.冷たいもの暖かいものが両方“しみて”しばらく痛みが続くないし、何もしなくても痛みが出る
こんな具合が“しみる”程度のレベル分けと言えるかと思います
この段階評価で3より下のレベル暖かいものが…という状態になると残念なことに神経の治療(神経を取る処置)が必要となってしまう分かれ目ぐらいに考えてもらえばいいかと思います
ですので歯が“しみる”って感じたとき どの程度の“しみる”具合なのかそれによって 治療の内容が変わってきます
歯医者に行って「痛い」というと「どう痛いか どれほど痛みが続くのか どうしたら痛いのか」などの質問をするのは処置の内容が変わってくるからなんです
“良い治療や適切な治療を受けたい”と思っている人ならばめんどくさがらずに歯医者の質問に答えてあげてください(笑)
こんな感じが“しみる”程度の内訳です あんまりひどく“しみる”のは神経の治療が必要になってきます
「ちょっと“しみる”けど我慢してた」とおっしゃる人よくいます だけどもひどくなると処置の内容が大掛かりになって通院回数も増えます
めんどくさがらずに歯医者ヘ足を運んで下さい
あなたの歯 しみる ところはありませんか?
今回ちょっと脱線トークだったので“しみる”本線の話に戻ります
【本当はどうなの歯の話 vol.6】歯が“しみる”
2022年8月26日
前回“虫歯”の話でした “しみる”代表みたいなものですので虫歯をお話ししました
実はそれ以外の歯が“しみる”症状に関しては 歯医者も手を焼く事が多くて 患者さんもショックや
なかなか治まらないことによる不信感が募ったり お互いに嫌な思いをすることもあります それがどうなっているのかの 話ですので決して言い訳じゃありませんよ(笑)
さあ歯の破折です そう聞くとすごいことのように聞こえますよね まるで殴られてボキッと折れたような しかし破折はそうとばかりは限りません
お茶碗で表面にヒビが入っているがお水が漏れないお茶碗ってありますよね
そんな感じで歯も表面のエナメル質にだけヒビが入ってしまって見た目にも機能的にも問題がないにも関わらず “しみる”という事が起こります
もちろんそのヒビが深ければ深いほど“しみる”度合いが大きくなります 実際真っ二つ一歩手前のヒビ割れの人もいますし
歯の根っこの方だけがヒビ割れて歯の頭の方はほとんど無傷の人もいます
そんな感じで“しみる”歯は結構やっかいです 度合いによって処置を分けますが エナメル質にだけヒビが入っている場合は 表面のコーティング
中の象牙質のところまでヒビが入ってしまっている場合は それ以上ヒビ割れが進まないように被せ物に
あまりにもひどく“しみる”場合は神経を取りますその後被せ物になっていきます ヒビ割れというよりも完全に折れている歯は抜歯しか無いんですが…
なるべくなら歯の寿命のことから考えても神経を取ってしまうのは 避けたいので 上のような処置になります
どうしても“しみる”のが続く場合は 仲尾歯科では高出力半導体レーザーを照射して痛みを和らげるといった方法をとることも出来ます
あなたの“しみる”のは 歯が破折していませんか?
次回も“しみる”話です